【2024年全日本ロードレース選手権 第2戦 もてぎ JSB1000】赤旗中断の難しいレースで中須賀克行が独走ダブルウイン

　全日本ロードレース選手権第２戦の舞台はもてぎ。雪が舞った開幕戦からは様子を一変させ、桜の花びらが舞う中でのウイークとなった。練習走行が行なわれた木曜日、金曜日は冷たい風に見舞われたが、土曜日は行楽日和。土曜日午前中に予選、午後にはレース１が行なわれた。
　予選ではセッション開始早々に中須賀克行（ブリヂストン）が1分46秒872と、自身が持つコースレコードを更新。水野涼（ブリヂストン）が1分47秒005、岡本裕生（ブリヂストン）が1分47秒170で最初のアタック勝負が終了。
　残り10分で2回目のアタック合戦が開始。中須賀は1分46秒447と、さらに自身のタイムを更新。水野が1分46秒692と迫る。水野は最後までアタックを続けたが、中須賀を逆転することはかなわなかった。これで中須賀が開幕2戦連続ポールポジションを獲得。水野はセカンドベストタイムでは中須賀を上回り、レース2のポールポジションを獲得して全日本最高峰クラスで初めて外国車をグリッドの先頭に並べることに成功した。

　予選の興奮も冷めやらぬうちに決勝レース１がスタート。予選時よりも少し雲と風が出てライダーたちの顔を曇らせる。
　好スタートを切ったのは水野。真っ先に１コーナーに飛び込むが、少し膨らんでしまったすきに野左根航汰（ブリヂストン）がトップ奪取。オープニングラップは野左根、水野、岡本、中須賀の順で終え、この4台でトップグループが形成される。
　2周目のストレートで水野が野左根を捕らえてトップ浮上。逃げを打つ。それを見た中須賀は岡本、野左根をパス。3周目には水野の背後にぴたりとつける。
　野左根は徐々にトップ集団から脱落。水野、中須賀、岡本は順位を入れ替えることなくテールtoノーズのまま周回を重ねる。
　12周目に中須賀がついにトップ浮上。ファステストラップをたたき出しながら水野を引き離しにかかる。水野はハイペースで中須賀を追う。岡本はついて行くことができず、最後は中須賀と水野の一騎打ちに。
　中須賀は二度と水野を前に出すことはなかった。そして中須賀が開幕2連勝を飾った。

●中須賀克行（予選１位／決勝１位）
「（木曜日からの走行で）今日が一番路面温度が上がって、フィーリングも大きく変わったのですが、ブリヂストンタイヤは安定したパフォーマンスを発揮しれくれました。おかげでレース自体のアベレージもハイペースで刻めました。思いどおりにタイヤを使いながらコントロールでき、いいタイムを刻めたことが優勝につながりました」

　日曜日のレース2はレース１よりも5周長い20周という周回数が設定せれた。土曜日よりもさらに気温が上昇するなか、スタート直後は混戦状態。オープニングラップを制したのは野左根。岡本、中須賀、水野と続く。
　3周目に秋吉耕佑（ブリヂストン）、新庄雅浩（ブリヂストン）が転倒。マシンから火が出て赤旗中断。

　周回数は20周のままでのやり直し。今度は中須賀がホールショットを奪ってレースをリード。岡本、野左根、長島、水野と続く。中須賀はオープニングラップからハイペースで周回。岡本を引き連れてヤマハファクトリーチームがワンツー体勢を構築。出遅れた水野は3周目に3番手に浮上。トップ2台を追いかけ始める。しかしすでにヤマハの2台は大差を築いている。水野は単独3番手で周回を開始。
　レース中盤は膠着状態に突入。岡本は何とか中須賀のすきをねらうが、チャンスは訪れない。
　レース終盤。中須賀は岡本をじりじりと引き離し、トップ独走状態に移行。そのままもてぎダブルウイン。開幕3連勝を飾った。

●中須賀克行（予選２位／決勝１位）
「今週で一番路面温度も上がってホントに難しいコンディションでした。20周というロングディスタンスで、もちろん途中でタイヤのドロップダウンはあったのですが、落ちたときのコントロールも最後まであった。そのおかげで大きくタイム落とすことなく集中して走り切れました。それが優勝につながったと思います」